スタッフが集団で退職してしまった

勤務態度をあらためてもらおうとスタッフに注意をしたところ、他のスタッフに「パワハラをされた」と言って回り、それを信じたスタッフが一斉に退職してしまうというケースがしばしば見られます。
当事務所でもこのような事例を多く担当しており、医療の現場では比較的起こりやすいトラブルと言えます。

 

スタッフの集団退職は、医院の業務に支障をきたすだけでなく、少人数のスタッフで成り立っている医院では、医院の存続をおびやかすほど重大な問題であり、経営者にとって死活問題です。
このような事態を招く前に、以下では医療の現場で集団退職が起こりやすい理由とその対策について検討します。

医療の現場で集団退職が起こりやすいワケ

なぜ医療の現場ではこうしたトラブルが起こりやすいのでしょうか。
その大きな理由は、特有の「閉鎖的な環境」にあります。医療の現場は、外部との接触が少ない閉鎖的な職場であることも多く、必然的に視野が狭くなりやすいため、一人の影響力のあるスタッフが「医師にパワハラをされた」などと言い始めると、他のスタッフもつられて「次は私もパワハラされるかもしれない」と共感の姿勢を示します。
すると、はじめは「一人のスタッフと医師の間の問題」であったはずが、見る見るうちにスタッフ全体の問題へと広がり、結果として、雰囲気や勢いに飲み込まれた数人のスタッフが集団で退職してしまうという事態に発展してしまいます。

集団退職を防止するには

このような集団退職を防ぐためには、スタッフに注意をする際のプロセスに気をつける必要があります。
たとえば、業務に関して指導を行う際は、はじめは文書で伝えるなどできるだけ穏便な解決を試み、その文書を指導の内容がわかるような証拠として残しておくと良いでしょう。ここでの過度な叱責は、かえって状況を悪化させかねません。そして、何度か指導をしても改善が見られないようなら、減給、出勤停止、諭旨解雇など、医院の就業規則で定めた手続に沿って処分を行います。

 

この時大切なことは、他のスタッフに対しても、どういった理由で指導や注意を行っているのかを説明しておくことです。周知をせずに処分を進めると、他のスタッフからは指導されているスタッフが嫌がらせを受けているように見え、責任感のあるスタッフであるほど「次は自分の番かもしれない」と萎縮してしまいます。

 

また、指導や処分の理由を周知しておくことで、それが「一人のスタッフと医師の間の問題」であり、他のスタッフは関係していないという印象を与えることができます。
閉鎖的な環境になりがちな医療の現場を、できるだけ風通しのよい職場にしておくことで、医師や経営者への反感を最小限に抑えることができ、集団退職を防ぐことにつながります。

集団退職を招くスタッフの見抜き方

ここまで集団退職を防ぐプロセスについて述べてきましたが、そもそも他のスタッフを巻き込んで退職しようとするようなスタッフがいなければ、このようなトラブルにはなりません。
実は、こういったスタッフはトラブルの前から危険なサインを出していることが多く、採用の時点でそのサインを見抜くことができれば、最高の予防策であるといえます。
それでは、「危険なサイン」とは一体どのようなものなのでしょうか。

 

最も代表的なサインとして挙げられるのが、以前の職場を退職した理由として「職場に問題があったからだ」と主張することです。
それが「仕事が忙しく休みが取れなかった」など職場の労働条件が理由であれば特段の問題はありませんが、「医師の患者に対する接し方が気に入らなかった」「同僚が自分のやり方を受け入れてくれなかった」といった主観的な理由である場合、その人物は職場環境や同僚に対して「こうあるべき」という独自の見解を持っている可能性が高いといえます。
そういった人物は、新しい勤務先でも自分の考えにそぐわないことが起こった場合、責任を職場環境や同僚に被せ、反発行動に出る可能性が高いでしょう。

 

スタッフの集団退職は、医院の業務を滞らせるだけでなく、風評被害を生み出し、その後の採用活動にも影響を及ぼすなど、医院のあらゆる面に不利益をもたらします。日頃のスタッフへの接し方や採用段階のチェック項目を見直して、できるだけ未然に防いでいきましょう。

 

当事務所では、医院内部のトラブルはもちろん、履歴書のチェックや面接のアドバイスなど採用段階からのサポートも行っております。まずはお気軽にご相談ください。

 

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