東京都立川市の法律事務所 弁護士法人フラクタル法律事務所

弁護士に相談するメリット

1.弁護士と司法書士、行政書士との得意分野の違い。

(1)法的紛争に関しては弁護士に依頼するのが原則です。
 弁護士は法的紛争処理能力に関して制度的担保がされています。
 弁護士以外は基本的に代書業であり、法律紛争に関して交渉を請け負うことは原則的にできません。最近行政書士が活躍する漫画等もありますが、あれはフィクションだから許されるものです。
 逆に登記関係に関しては司法書士さんが専門家で効率もいいですし、行政庁への届け出関係は行政書士さんの方が専門家で効率もいいですので、そちらに依頼した方がいいでしょう。
 裁判例上も、少額、簡易な事案でなく、法的主張の対立がある紛争であれば、行政書士は示談交渉をすることができないとする判決があります。この裁判例を前提とすれば、弁護士書面作成に関係のない法律紛争に関する交渉等を業として受けることは法律違反の虞が高い行為といえるでしょう。
 このように、法的紛争に関して弁護士に任せている法律の趣旨は、司法試験や司法修習制度により、法的紛争に関して適切な処理能力があることが制度的に担保されている弁護士に紛争の解決を委ねるというものです。すなわち、迅速、適切に依頼者の利益を保護するための法制度です。
 「弁護士又は弁護士法人でない者は、報酬を得る目的で訴訟事件、非訟事件及び審査請求、異議申立て、再審査請求等行政庁に対する不服申立事件その他一般の法律事件に関して鑑定、代理、仲裁若しくは和解その他の法律事務を取り扱い、又はこれらの周旋をすることを業とすることができない。ただし、この法律又は他の法律に別段の定めがある場合は、この限りでない。」(弁護士法72条)

(2)刑事手続に関する知識・経験の差
 刑事事件の弁護人になれるのは弁護士だけです。
 刑事事件そのものだけでなく、一般的な示談交渉においても刑事事件の知識・経験は必要です。なぜなら、交渉においては、民事・刑事の両面から依頼者の強いところや弱点を考慮する必要があるからです。
 たとえば、交通事故等の場合に被害者がどのような示談金額を提示するのが良いのかといったことは、損害算定のみならず量刑相場の知識を持ち、加害者がどの程度であれば今支払うのかを予測する能力が必要となってきます。

(3)訴訟になった場合の見通しの有無
 最終的な解決が予測できます。
 当事者が合意出来なかった場合、法的紛争は全て裁判所に持ち込まれることになります。
 弁護士であれば、それまでの経験から、裁判になった場合のメリットデメリット、判決になった場合のメリットデメリットを考えながら、交渉の落としどころを探ることができます。その意味では両当事者に弁護士がついているのが最も適切な解決に近づくでしょう。
 訴訟となった場合の見通しができなければ、裁判で負けてしまったり、勝っても相手にお金が無くて1円も取れなかったりといったことになるおそれがあります。

2.具体的事件でのメリット
(1)破産事件
 破産事件で即日面接や少額管財が可能なのは弁護士が代理人になった場合だけです。
 東京地方裁判所には、自己破産を申し立てたその日に破産宣告が出る即日面接制度や、予納金が20万円で済む少額管財制度がありますが、これらは弁護士が代理人にならないと利用できません。それだけ弁護士の事前調査能力が裁判所に信頼されているということです。
 東京地裁の即日面接に関しては、弁護士が代理人とならなければ即日面接になりませんので、破産申立から免責まで約6ヶ月程度かかってしまうこともあります。
 弁護士に依頼しない場合には、少額管財制度が利用できず、通常の管財事件となってしまい、予納金が倍額以上かかってしまいます。
 管財事件の予納金=「最低50万円」
 少額管財事件の予納金=「最低20万円」
 こんなにも金額が上がってしまします。
 弁護士には代理権がありますので、弁護士に依頼すれば、裁判所との交渉を弁護士に任せてしまうことができます。裁判所に出向いて面倒な手続きをすることになり、大変な時間と労力を割くことになります。
 また、破産申立から免責までの時間が非常に短縮できます。
 これに対して、司法書士に依頼した場合、司法書士も書類の作成はできますが、代理権はありませんので、裁判所への申立は債務者が自らしなければなりません。
 以上のように、自己破産や民事再生の場合、司法書士と弁護士とでは、書類の作成のみを依頼するか、申立の代理まで依頼するかという大きな違いがあります。

(2)過払い金請求訴訟
 裁判になった場合に地方裁判所で代理できるのは弁護士だけ(過払金の返還請求訴訟等)です。
 弁護士と司法書士の大きな違いは、地方裁判所の訴訟代理権があるかどうかという点にあります。金額が140万円以上の訴え(過払金の返還請求訴訟)は地方裁判所にしなければなりませんので、この場合には、弁護士に依頼する必要があります。
 交渉の際も、弁護士は裁判所での争いになった場合の予想をし、適切な解決を見通すことができますが、自らが地方裁判所での代理権がない司法書士の場合には、むしろ裁判所に争いを持ち込めないことが弱点になってしまいます。
 法律上、簡易裁判所であれば、金融業者側も従業員に裁判所へ出頭させ、裁判を進めることができますが、地方裁判所に訴えを提起された場合、金融業者は社長が自ら出頭するか(そんなことは現実的には出来ません)、費用をかけて弁護士に依頼するしかできません。そんなことをすれば、業者は仮に裁判に勝ったとしても弁護士費用等で結局損をしてしまい、割に合いません。
 よって、地方裁判所に訴訟が係属すると、金融業者は弱気になり、弁護士の要求に沿った和解案をのむことが多いのです。つまり、弁護士に最初から依頼をしておけば、その後交渉がどこまで進展しても安心できますし、最終的には地方裁判所に訴えを提起するという強みを武器に交渉できるのです。
 また、このような武器を知っている弁護士は、過払金の返還請求訴訟については、1人の債務者の1社に対する過払金が140万円を超えていなくても、慰謝料等を付加して、合計金額がなんとか140万円を超えるようにし、地方裁判所に訴えを起こすという訴訟戦術をとることができるのです。
そうすれば、金融業者は、やむをえず、和解に応じてくる可能性が高いからです。

(3)内容証明の作成
 これに関しては弁護士でなくともできますが、問題なのは、弁護士でなければ「代理人」という文言を使用出来ないことです。よく見るのは「書作代理人」と書いてあるものですが、これでは単に書き写した一般の方と同じ扱いですから、その後の交渉において依頼者が自分で交渉しなければならなくなります。
 そして、相手方もそれがわかっているので、単に内容証明を送付した場合に相手方に与えられる心理的効果が違ってきてしまいます。
 さらに、弁護士の方が、内容証明に記載すべき内容に関して幅広い知識を背景に適切なアドバイスが可能となることも弁護士に依頼するメリットです。

 以上の観点から、
 法律的な問題に関しては弁護士に気軽に相談する方がいいでしょう。
 かかりつけ医と同じように、これからの時代は「かかりつけ弁護士」を持つと安心できるのです。